破産をすると家を出て行かなくてはいけないか?
その答えは、Noです。
破産をしたから、大家が契約を解除して、住んでいる人を立退きさせられるという法律はありません。
実は、破産をした場合に大家が契約解除できるとの条文は、平成16(2004)年までは存在しました。
民法621条です。破産をすると、賃貸人(大家)または破産管財人は、賃貸借契約を解除できるという条文です。
しかし、破産をした人の居住権を軽視するこの条文には従来から批判が強く、裁判所も最高裁昭和48年10月30日判決などにより、家賃の滞納もないのに破産したということだけで住居から追い出されるという事態に否定的な態度を取っていました。
実際にも、破産した人が住居を追い出されるという事態はあまりありませんでした。つまり、破産したこと自体を大家に知られる、という事態があまりなかったからです。また、たとえわかっても、大家としても、賃料の滞納がなければ、退去させることにメリットはなかったからです。
現在では、民法621条は削除されているので(昔の622条が繰り上がって、別の内容の条項が621条になっています)、法的にも、明らかに、破産のみを理由に住居から追い出されることはありません(家賃の滞納があれば、また別の問題ですが。)
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